慰霊祭の挨拶やスピーチに使える言葉の例文や手紙・メールに使える文例
慰霊祭の挨拶のポイント
慰霊祭は死者の霊魂を慰める祭りのことですが、個人が主催することは少なく、大規模な災害や事故などで亡くなられた方々の冥福を祈るために組織や団体が開催することがほとんどです。慰霊祭の挨拶は、遺族の代表、あるいは主催者側の代表を務める方が行うことが多いでしょう。立場の違いによって挨拶の内容も変わりますが、亡くなられた方々へ哀悼の意を表するとともに、遺族や残された人々が未来へ向けて一歩を踏み出せるような、前向きな言葉を加えることも大切です。
慰霊祭の挨拶の書き出しのポイント
慰霊祭の挨拶を行う際、遺族であれば、まずは故人への愛惜の気持ちを述べるのがよいでしょう。遺族でしか言葉にできない、故人との数多くの思い出や記憶は、故人が現実に人生を歩んでいた「生身の人間」であったことを強烈に印象付けるからです。祭事の主催者であれば、まずは死者に対して丁重に哀悼の意を表しましょう。そして遺族らの精神的苦痛に寄り添い、故人が不本意に失った未来、社会が受けた損失について語るとよいでしょう。
慰霊祭の挨拶のスピーチに使える書き出しの例文
慰霊祭の挨拶における遺族代表のスピーチとしては、「この慰霊祭を開催していただいたこと、また多くの方々に参列していただいたことに感謝いたします。」と、まずは開催者及び参列者に謝辞を述べるのがよいでしょう。一方開催者側であれば、「このたびの災害(事故・事件など)によって亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。」「ご参列いただいた皆様と悲しみを共有できたらと思います。」など、慰霊祭を開催する意義を言葉に表しましょう。
慰霊祭の挨拶の手紙に使える書き出しの例文
ここでは、開催者が慰霊祭の挨拶を手紙で行う場合の例文に絞ってご紹介します。「このたび、○○によって亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、この○○が風化することなく、正しく後世へ伝えられることを祈念して、慰霊祭を執り行うこととなりました。」「死者の冥福を祈念するとともに、ご遺族の方々の悲しみが少しでも癒えることを願って、このたび、慰霊祭を開催することとなりました。」など、慰霊祭の趣旨を明確に述べることが大事です。
慰霊祭の挨拶の使える書き出しの例文
主催者・遺族側であれば、「このたびはお忙しい中、故人のために足をお運びいただきまして恐縮に存じます。」など、まずは参列してくれた人々に感謝の言葉を述べましょう。また参列者側であれば、「どうかお力落としの無いように。」と、遺族を力づける言葉を。あるいは亡くなってから日が経っているのであれば、「どうぞくれぐれもご自愛なさって下さい。」など、死者に対する気持ちだけでなく、残された遺族を励ますことが必要でしょう。
慰霊祭の挨拶のメールに使える書き出しの例文
メールで慰霊祭の挨拶をする場合は、手紙と異なり少しカジュアルな印象を受けます。大規模な災害などによる死者の慰霊祭ではなく、例えば歴史上の偉人の慰霊祭・動物の慰霊祭などで使用されることが多いでしょう。ですので、開催者側であれば「このたび、○○の遺徳をしのび、慰霊祭を行うこととなりました。」「○○の名を後世に伝え、その偉業を広く世に知っていただくために、このたび慰霊祭を開催することとなりました。」など、開催を知らせる言葉で良いでしょう。
慰霊祭の挨拶のビジネスに使える書き出しの例文
私的な関係でなくビジネスの関係で慰霊祭に出席する場合は、まずは「このたびは誠にご愁傷様でございます。」と、遺族や開催者側に弔意を示しましょう。さらに、「○○様とは△△の関係でお世話になっておりました。」など、自分と故人の関係を知らせることも大事です。大規模な慰霊祭の場合でも、「このたびの悲劇に際し、お悔やみの言葉も見つかりません。」など、ビジネス上のお付き合いであっても、率直に自分の気持ちを表すことが大事です。
慰霊祭の挨拶の書き出しについてのまとめ
まずは死者に対する哀悼の念を表すことが第一ですが、しかし慰霊祭は個人的な法要ではありません。大きな災害や事故による死者のための慰霊祭であれば、後世に事実を正しく伝え、風化させないことも、開催される大きな目的の一つといえるでしょう。また慰霊祭は遺族らが集い、悲しみを共有する場でもあります。挨拶する際は、死者の生前に思いを馳せ、彼らが生きていたことを忘れまいとする気持ちも言葉にすることが重要でしょう。
慰霊祭の挨拶の結びのポイント
挨拶の結びでは、開催者側であれば出席者に対して足を運んでくれたお礼を故人に代わって述べることが大切です。故人を時には偲んでほしいというような要望を伝えても良いでしょう。参列者側であれば、「お悔やみ申し上げます」などの故人への哀悼の意を表する儀礼的な言葉も必要ですが、それだけでなく、遺族に対して勇気づける言葉や、自分がさびしい思いをしているといった故人への気持ちを遺族に伝えることも必要でしょう。それだけで、遺族の心は和むものです。
慰霊祭の挨拶のスピーチに使える結びの例文
事故で犠牲になった人々の慰霊祭であれば、「この悲劇を二度と繰り返さないことが、何よりのはなむけになるかと思います。」災害で亡くなった人々の慰霊祭であれば「生きている私たちが幸福になることが、亡くなった人たちの喜びになるはずです。」「私たちの頑張る姿をも守ってください。」など、決意や希望を表す言葉を。個人的な慰霊祭であれば、「どうか時々は故人のことを思い出し、懐かしんでやってください。」など、参列者にむけた言葉も良いでしょう。
慰霊祭の挨拶の手紙に使える結びの例文
「書き出し」の章で書いたように、慰霊祭への出席をお願いする開催者の手紙であれば、「万障お繰り合わせのうえ是非ご参列ください。」など、決まり文句でも構わないでしょう。ただし一般の参列者ではなく、遺族にあてた手紙であれば、「ご不幸の最中にあって遺族の皆様方にはつらい日々が続いていることと存じますが、どうぞご出席いただきますよう、よろしくお願いいたします。」など、遺族の気持ちに寄り添うことも大事でしょう。
慰霊祭の挨拶の使える結びの例文
挨拶の結びでは、開催者・遺族側であれば「このたびはご出席いただき誠にありがとうございました。故人も喜んでいることと思います。」「時々は故人を偲んでやってください。」など、参列者に感謝の言葉を述べましょう。一方参列者側であれば、「お亡くなりになられたことがいまだに信じられない思いです。安らかにお休みいただけることをお祈りいたします。」「どうぞご遺族の皆様方もご自愛ください。」など、遺族に配慮した言葉をかけることが必要です。
慰霊祭の挨拶のメールに使える結びの例文
「書き出し」と同じく、カジュアルな文面で構わないですが、この場合ももちろん、歴史上の偉人など、その慰霊祭がそれほどの悲しみを伴わないイベント的なものであることが大前提です。「ご出席いただければ幸いです。」「ご参列いただけることを心待ちにしております。」「参列者の皆様とともに故人の遺徳を偲ぶ時間を楽しみにしております。」など、遺族に失礼がない程度ではありますが、前向きな言葉やあまり法事向きではない言葉を使っても構いません。
慰霊祭の挨拶のビジネスに使える結びの例文
書き出しと同じく、故人とビジネス上の関係があった場合は、やはり儀礼的な言葉で結ぶ必要があります。「ご冥福をお祈りいたします。」「○○様の御生前のご厚誼に厚く御礼を申し上げます。」など、少々文体的ですが親しい人や親族とは一線を画した言葉遣いが必要です。ですが、やはりビジネスの関係だけとはいえ、「どうぞご遺族の皆様もご自愛くださいますよう。」など、儀礼的な言葉の後に遺族への気遣いを加えた方が遺族も喜びます。
慰霊祭の挨拶の結びについてのまとめ
開催者にとって、挨拶の結びは参列者への感謝とお礼を述べることですが、遺族が開催者でなく参列者である場合は、死者を悼みつつも、遺族を勇気づける言葉で最期を結ぶことが必要でしょう。それぞれの場合で結びの言葉も異なってきますが、大事な点は、いかに発言する側の気持ちを相手に伝えられるかです。どんなに長い言葉で故人を偲び、悼んでも、結びの言葉に心がこもっていなければ、相手の心には響かないのです。結びの言葉に万感の気持ちを込めましょう。
慰霊祭の挨拶の全体的なまとめ
前にも述べましたが、慰霊祭は法事ではありません。法事は故人の供養を主眼としていますが、慰霊祭は多数の死者の魂を慰める場合が多いものです。遺族が悲しみを分かち合う場であるといえるでしょう。また、慰霊祭には残された人々に向けたメッセージを発信する場であるという性格もあります。たとえば、大規模災害で犠牲となった人々の慰霊祭は、参列者だけでなく、テレビなどを通じて目にする人々にも、忘れかけた悲劇を新たに思い出させる効果があります。つまり、慰霊祭には悲劇や死者の存在を後世に伝える重要な役割を担っているのです。このような場での挨拶には、故人を偲ぶ気持ちを述べるだけでは足りません。慰霊祭の目的をしっかりと理解し、相手や聴衆に向けてしっかりと訴えかけなければなりません。そして、何より大切なのは、生きている人々が前向きに生きていけるような、力強い励ましの言葉です。死者は戻りません。時間も戻すことはできません。遺族や残された人々が新たな一歩を踏み出すきっかけを作る。それが慰霊祭の本当の意義であるといえるでしょう。開催者側も、参列者側も、そして遺族側も、故人を忘れることなく自分たちの人生を生きる。短いあいさつにすべてを込めることはできなくても、言葉を発する側にその気持ちがこもっていれば、自然と挨拶を受ける側にもその思いは伝わることでしょう。
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